出町譲

ペストは14世紀のヨーロッパ、そして世界を恐怖のどん底にたたきつけた。人口の3分の1が亡くなるという異常事態だった。単に人口が減っただけでなく、ヨーロッパの中世社会を根底からぐらつかせた。権力構造ががらりと変わり、封建社会が崩れた。 教会、領主の2つの権力の失墜は、新たな社会に向かうきっかけとなった。 それが、ルネサンスだ。教会が支配していた中世の時代を克服しようという動きだ。「暗黒の時代」と決別し、人間を解放する運動である。百花繚乱の人材を生み出され、科学史に残る偉業が生み出された。 新型コロナでいま、世界は混乱している。会社は在宅勤務となり、学校は休校となっている。リモートワークやオンライン授業は日常光景になりつつある。混乱の後には、新たな時代が始まる。「コロナ後」の世界では、古い時代から決別することになるだろう。